鉛筆を正しく持つための日常生活ヒント

「うちの子、鉛筆の持ち方大丈夫ですか?」
そんなご相談を、元小学校教師としていただいたことがあります。
こんな風に保護者がお子さんのえんぴつの持ち方に興味を持ってくれるってすごいことです。
大抵は、「疲れるからヤダ!」「ノートなんて書きたくない!」そんなお子さんに出会うたびに確認すると、十中八九えんぴつの持ち方ができていないことがある。そんな教師目線の気づきからわかることが多いからです。
だからこそ、今回は、できるだけ低年齢のうちに、えんぴつの持ち方は、見た目のきれいさや“クセ”だけの問題ではないことに気付いてほしいという願いをもって記事を書きます。
えんぴつが正しく持てない背景に、日々の生活の中での「指先の経験」の積み重ねが大きく関わっているのです。
生活の中で意識して、遊んでほしい!
えんぴつの持ち方は「生活の延長」にある
私が保護者の方にまずお聞きするのは、こんな質問です。
「スプーンやフォーク、お箸をどんなふうに持っていますか?」
ちょっと意外かもしれません。でもこれはとても大事な観察ポイント。
えんぴつの持ち方は、日常の中の動作──特に手や指先の使い方──が自然と育ってきた結果、身についていくものだからです。
鉛筆だけをがんばらせなくていい理由
正しく鉛筆を持つには、実は「指の筋力」や「分離した動き」が必要です。
でもそれって、特別なトレーニングではなく、日々の生活や遊びの中で十分に育っていくんです。でも、決まった遊びのみだと、未発達な部分ができてしまうかもしれません。
幼稚園教諭としての経験からも、それはとても実感しています。
指先を育てる遊び・生活のヒント
こんな動作で遊んでいますか?ぜひ一緒にやったことがない、見たことがない遊びがあればチャレンジしてみてください。
- 手遊びを真似する
- 粘土をちぎる・丸める
- 折り紙・シール貼り
- ハサミや洗濯バサミで遊ぶ
- 指先で「つかむ」「すくう」動作
こうした遊びの中にこそ、鉛筆を持つ力=3本指のコントロールや力加減を育てるヒントがあります。
指先経験が少ないとどうなる?
- 鉛筆を握りしめてしまう
- 手がすぐ疲れて書きたがらない
- 細かい作業を避けがち
- 姿勢が崩れて集中力がもたない
これらは“発達のクセ”だけでなく、「経験の不足」かもしれません。
あせらず、楽しい遊びの中で育てていくことが大切です。
おうちで見てほしい視点
「クレヨンや書くことが苦手」と感じたら、こんなところを見てみてください:
- 手遊びへの取り組み方
- ハサミやのり、粘土への反応
- 小さいものをつまむ、はさむ遊び
- 食事時のスプーン・箸の持ち方
「そういえば…」と思うことがあれば、それが“今、伸ばせる入り口”かもしれません。
「道具」よりも「育ち」を見つめて
もちろん、鉛筆の持ち方を練習することも大切です。
でも、それだけをがんばるのではなく、生活の中で自然に育つ力を大事にしてほしいと私は思っています。
とくに、就学前の時期はチャンスです。いっぱい遊ぶ時間があるこの時に。
小学生になってからでも、スモールステップで見ることができれば、焦らず支援していけます。
こんな声かけが“力”になります
- 「小さなものをつまめるようになったね」
- 「ごはんをこぼさず食べられたね」
- 「ゲーム以外の遊びも楽しめたね」
“できた”を言葉にしてあげることが、子ども自身の「できる気持ち」につながっていきます。
見守る人の視点が未来をつくる
クレヨンや鉛筆をうまく持てないことに、つい不安を感じてしまうこともあると思います。
でもそれは、「発達の遅れ」ではなく、発達の“途中”かもしれないという視点も、どうか忘れないでください。
今のお子さんをよく見てみてください。
- どんな手の使い方をしているか
- 何が得意で、何が苦手か
- どんなときに笑っているか
きっと、そこから“これからできること”がたくさん見えてくるはずです。
お知らせとプレゼント
Instagram&stand.fmでも、いろいろな発信をしています。2025年6月は毎週金曜12:30からライブ配信を行っています。
そこで、鉛筆の持ち方や、子どもの「手の使い方」について、くわしく話しています。
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💬 最後に
ここまで読んでくださってありがとうございました。
日々の育ちを、あたたかく見守っていけるよう、
GROWseedsはこれからも子育てを応援していきます。