就学相談って?②何を相談して何が決まるの?
成長や発達、学習面での心配があるお子さんの就学先について、相談・決定していく場となる就学相談。この記事では、就学相談について解説しました。
この相談は、お子さんの笑顔や「わかった!」と思える学習・成長になるような環境・場を探す手助けのための重要なステップです。
①内容・はじめ方に関しての記事はこちら↓
なぜ、特別支援学級や必要な支援を考えることが必要なのでしょうか。
それは、お子さんの特性や能力に応じた教育をすることでしっかり成長できるから。そして、子どもたちが自分らしく成長できる環境を整えると二次障害を防ぐことが可能になるからです。
この記事で子どもたちがのびのびと笑顔で成長できるお手伝いができればうれしいです。
この記事では、就学相談・特別支援学級相談についてお伝えしていきます。就学相談の目的や重要性から相談の方法や実際の体験談まで、幅広く解説していきます。
シリーズを必要なところを読んでいただければうれしいです。
初めての相談や、どう進めればよいか分からないと感じている方もいるでしょう。安心してください。具体的な支援プランや相談の流れを知ることで、あなたの不安を少しでも軽減できるはずです。
これからの子どもたちのために、就学相談・特別支援学級相談を通じて、最適な解決策を見つけ出していきましょう。
質問などもありましたら、コメントに残してくださいね。
就学相談・特別支援学級相談の内容を解説
さて、電話等でチャレンジできたら、実際に就学相談・特別支援学級相談に入っていきます。チャレンジ法をまだ見ていない人は上のリンクの①の記事を読んでくださいね。
就学相談・特別支援学級相談って何話せばいいの?
電話等で初めに事前申し込みを行い、次に面談を通じて具体的な状況をお話しします。どんなことを話すかというと
- 児童本人の特性や困り感
- 保護者が感じている課題や困り感(心配なことは何でも話しておいてください。)
- 幼稚園(保育園)の先生から言われている集団生活の中の様子
- 生まれてから今までの生育歴の中での様子 などなど
うまく話せないのでは?
と感じられる方は、「紙に書いてきて、見せる」でも大丈夫。
そのほかに母子手帳に「発語が少しだけ遅い?」とかメモしていた方もいて、参考になったこともあったようです。今は、発語が出ていても語彙が少ないかも、と気づいてもらえたのです。今まで病気をした、とかがわかる日記や母子手帳、などなどの資料もあるとよいですよ。人と話すことに疲れ果てて、必要な困り感などを言い忘れてた!ことがなくなりますからね。
「あ、そういえば!」みたいに言う内容こそ重要だったりします。
まぁ、考えすぎず、たいてい、上手に聞き出してもらえますから、聞かれたことを話していくとよいと思います。
また、この場では、医療の現場ではないので発達障害と決めつけるとかではなく、あくまで小学校等の進学でどのような支援体制ができるか、という相談です。
怖がりすぎず、お子さんの過ごしやすい・成長しやすい場の準備として臨んでくださいね。
一回の相談だけで決まることではなくありません。
就学相談では、現在通っている幼稚園や保育園などの先生の意見も聞かれます。地域の学校の状況や意見もあるでしょう。また、療育機関の意見、公認心理師や医師、幼児や児童の発達や心理を専門とする大学教員などの意見を踏まえ、お子さん本人や保護者の希望を考慮した上で、最終的に就学先の判断がなされることになっています。
上記に書いた関係機関すべてが関わることはなかなかないですけれど、すべてお子さんの笑顔とよりよい成長を願っての意見ですから、怖がりすぎず、前向きに取り組めるとよいと思います。関係機関はよりたくさんのケースを知っていて、また就学相談後どうなっていったか、というケースも知っています。保護者の気持ちもあるかと思いますが、意見を聞いてから判断するのもいいと思います。
その後、必要に応じて発達検査や必要な文書を集め、支援計画を作成していく流れになっていきます。
就学相談での決定は変えられない?
就学相談を受けるのは、次年度就学を控えているすべてのお子さんではありません。
だから、
就学相談をすすめられた!もうこの先の未来、真っ暗!
なんて感じてしまう保護者もいるようです。
就学相談を受けると通常学級には在籍できなくなると思われてしまうのでしょうか。
それは誤解です。だいじょうぶですよ。
あくまで、就学相談の目的は、お子さんにとってもっとも適した教育環境の判断です。多くはありませんが、通常学級が適している、と判断されることもあります。また、お勧めしないケースが多いのですが、保護者と本人の強い希望で通常級に行くこともできます。
就学相談で一度決まった判断は、小学校の6年間変わらないことはありません。
特に近年は、インクルーシブ教育の推進から、就学相談のプロセスや制度の見直しも行われています。
私の勤務校では就学校内委員会を年2回以上行っており、クラスでの心配なお子さんの情報共有を行い、保護者への教育相談の状況も話し合われています。
お子さんの発達の程度や適応の状況、学校の様子などを考慮しながら、たとえば特別支援学級から通常学級への転籍や通常学級のままで通級の利用検討なども比較的柔軟に行われるようになってきています。
ただし、インクルーシブ教育も推進の過渡期ということもあり、地域によっては転籍が困難であることも少なくありませんし、特に年度内の転籍は困難な場合が多いので、就学相談の機会に十分に話し合うことが重要です。年度内の転籍は、支援員の数に限りがある中、支援をしっかりすることが困難であったり、変化が厳しいお子さんが多い中、今いる特別支援学級のお子さんにも、転籍したいお子さんにも負担があったりすることから、お断りするケースがあります。でも、途中からの転籍はしてはいけない、ということではないので、校長をはじめ、学校側とよく相談すれば可能とされています。
よく就学相談で検討してもらえるように、話してみましょう。就学した後は、教育相談・特別支援相談・等々名前は変わりますし、もう特性等の情報がわかっているので、さらに相談がしやすいと思います。
何か質問等がありましたら、問い合わせ等でご連絡ください。
よりよい未来のための相談になりますように応援しています。